終活ニュースより

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「死の質」高める在宅医療充実を

 厚生労働省が2017年12月に発表した人口動態統計の年間推計によると、

17年の出生数から死亡数を差し引いた人口の自然減は40万人を突破した。

日本は本格的な「少産多死」の人口減少社会を迎えているようだ。

平均寿命が延びる一方、健康寿命との差は広がり、高齢者の要介護期間

は長くなっている。人生100年時代ともいわれる今、高齢者が長い人生の

「生き方」と同時に、その「逝き方」を考えることも必要な時代といえ

よう。

特に終末期医療のあり方は、QOD(クオリティー・オブ・デス、死の質)

を規定し、人生最期のQOL(クオリティー・オブ・ライフ、生活の質)

に大きな影響を与える。どこで最期を迎えるか、どこまで延命治療を希

望するのかなど「死へのプロセス」は人それぞれだからだ。

16年の日本人の死因は、トップが悪性新生物(がん)で第2位が心疾患、

第3位が肺炎となっている。だが最近では高齢化による老衰死が増え、

自宅で最期を迎える人も多い。高齢社会では慢性期医療の需要が高く、

高齢者の慢性疾患にきめ細かく対処するかかりつけ医の役割が大きい。

通院が難しくなる場合も多く、在宅高齢者へ医療者が出向く訪問診療も

重要になる。

在宅医療は最期をみとるためだけのものではない。例えば手術後に退院

して自宅で療養を続けるためには、在宅医療の充実が不可欠だ。近年の

在宅医療は、医療技術の進歩により、かなり高度な治療やケアも可能に

なっている。

ただ在宅医療の拠点となる、24時間体制で訪問診療する「在宅療養支援

診療所」は全国に1万5千カ所程度あるとみられるが、あまり知られてい

ない。またチーム医療である在宅医療は医療と看護、介護の連携が重要

だが、中心となる訪問看護師は看護師全体の3%程度にすぎない。

厚労省の18年度の診療報酬と介護報酬の改定案では、在宅医療と介護の

充実を図るため、かかりつけ医の診療報酬や高齢者の自立支援のリハビ

リサービスの介護報酬を引き上げる。特に医療と介護の切れ目ない連携

は、QOLの維持・向上に不可欠だ。

在宅医療は全体としてみると、膨らみ続ける社会保障費の抑制につなが

る可能性も高い。病院とかかりつけ医の適切な役割分担とともに、超高

齢社会の在宅医療の充実が、多死社会のQODを高める人生の逝き方の選

択肢になることを期待したい。

日本経済新聞2018年2月27日抜粋

 

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